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FIRE後にお金に不安になる人たち

私は一昨年55歳でFIREに成功しました。
FIREや定年退職後の人生設計や生きがいについて情報発信しています。

私はYouTubeやブログなどでFIREに成功した人たちの動画、記事をよく見ています。

そこで気づいたのは、事前に十分計画を練って退職したにも関わらず、お金に不安になる人が多いという点です。

実際のところ、お金があろうがなかろうが、常にお金に関する不安は発生するものです。以前、両学長の動画を見ていたら、100億円の金融資産があっても、お金の不安に怯える人の話が出ていました。

お金というのは、いくらあっても十分でなく、たとえ十分だと感じていても、何かの経済ニュース(株価下落、円安など)があると根拠のない不安が生じてきます。

見える化のメリット

私は資産の見える化に割と積極的に取り組んできました。それは社会に出てから始まり、一時サボっていたこともありましたが、FIREが見えてきた40代後半から再開し、FIRE後の今も続いています。

資産の見える化のメリットについては、FIREの準備として自分の資産を明確し、無駄を省き、増やしていくための方策を考える基礎データとして有用なのは言うまでもないことでしょう。

しかし、お金が貯まった後、FIREに成功しても見える化は必要なんでしょうか?

答えはYESです。

FIRE後も消費活動は続けられますし、私のように投資を続けている人もいます。それらの人たちには、今現在、自分の資産がいくらなのかを把握できないと困ったことになります。

私自身、もっとも有用性を感じているのは、何らかの経済事象が発生した時、即座に自分のポートフォリオへの影響を把握できることです。

便利なクラウドベースのアプリを1回か2回タップするだけでリアルタイムで一円単位で自分の資産を確認できます。

FIREされた多くの人がお金に不安を感じるのは、「お金がない」ことではなく、「お金が正確にいくらあるのかわからない」ことに起因しているのではないでしょうか?

見える化に関する大きな誤解

多くの人が子供の頃、親に「お小遣い帳」をつけなさいと言われています。成人してファイナンシャルプランを作成しようと考えた時に、ガイドされるのは「家計簿」の作成です。

これらを言われておも〜い気持ちになりませんでしたか?(笑)。

それは、これらの作業が

  • 大変面倒で手間がかかる
  • 苦労した結果、どう使っていのかわからない

からなのではないでしょうか?

実際、モノの本を読むと

  • 家計の全ての収支を記録しなさい
  • 毎月レビューして節約できるところを見つけなさい

と書かれています。

しかし、この説明は正しいのですが、あまりにも大変なのです。

私の考えは、必ずしも全てを記録する必要はなく全ての明細をチェックする必要もない、です。

もっと正確に言えば、人生のフェーズによって「見える化」で必要な作業や、チェックポイントが変わってくるという考えです。

ここで私の経験から「人生のフェーズ」を説明しておきます。

  1. 20代後半から30代半ばまで
    結婚、出産、住宅購入、教育費などで出費が多く、収入もさほど多くないため、比較的しっかりした「見える化」が必要な時期
  2. 30代後半から40代半ばまで
    ローン支払いや教育費に一息つき、収入も上がってくる頃。資産形成も順調になり、仕事の責任も多く、もっとも充実した職業生活を送っている頃
  3. 40代後半からFIRE前後
    資産運用が順調になり、そろそろFIREや定年退職が見えてくる頃。将来の人生設計のため、再び「見える化」の必要性が上がってくる頃

この3フェースはまさに私の歩んできた道でもあるわけですが、後ほど各フェーズでどんな「見える化」をはかってきたかをご説明したいと思います。

見える化のコツ

見える化をできるだけ簡単に実現し、効果を最大限にする方法を記載します。

1. ツールを活用し、キャッシュレス化を進めること

ツールは何でもいいと思います。私はクラウドベースのMoneyfoward Meを使っています。

最近の家計簿ツールは金融機関連携が充実しており、ほとんど全ての銀行、証券、クレジットカードの明細をオンラインでMoneyFoward Meから見ることができます。それだけでなく、仮想通貨、ソーシャルレンディング、スマホ決済サービスなども見ることができるので、通常の消費活動で利用できるサービスはほぼほぼチェックすることができると考えていいでしょう。

これは、かつての家計簿のようにレシートをチェックして費用を紙やエクセルシートに転記する必要がないことを意味します。金融機関とツールが連携しているので仕分けの必要もありません。

現金を使う場合は、従来通り転記作業が必要になりますから日々の支払いはできるだけキャッシュレスを進めるべきです。

2.把握する口座を限定する

30代後半から40代になると金融機関の口座を20、30持っている人が少なくありません。しかし、これら全てをツールに登録し、記録する必要はありません。必要のない情報をいくら集めても、意味のある情報になることはありません。

3.チェックする項目を限定する

記録された家計簿のどれをチェックするべきなのでしょうか?全てをチェックすべきなのでしょうか?

人生のフェーズによってはそれが必要な場合があります。しかし、退職するまでずっとやる必要はありません。

見える化の経験談

ここからは私自身の経験を書きます。

人生のフェーズによって「見える化」に必要な作業が違うことがわかると思います。

20代後半から30代半ばまで

この頃は、住宅ローンや教育費が必要で、将来の資金も考えなければならないにも関わらず給与が高くない頃だったので、かなりきっちりとやりました。

ツールとしてはマイクロソフト・マネーというWindowsで動作するソフトウエアを利用しました。このツールが優れたいたのは、今となっては当たり前ですが、金融機関と連携ができ、明細をインポートすることができた点でした。ただ対応していたのは有力な金融機関だけで、仕分けの機能も限定的だったと記憶しています。

この頃、仕事から帰ると真っ先にパソコンに向かい、その日のレシートをマネーに入力するのが日課でした。この作業は面倒ではありましたけれども、少しずつ住宅ローンが減っていき、自分の資産が増えていくのを見るのは楽しみではありました。

マネーは毎月、支出レポートを出してくれるので、大きな支出をチェックしていました。この時期に家計の大体の傾向を把握することができました。

30代後半から40代半ばまで

この頃は「見える化」をサボっていた時期でした。理由は3つあります。一つは使っていたマネーがディスコンされてしまったこと。二つめは住宅ローンや教育費の目処がたち、厳密な管理が必要なくなってしまったこと。三つめは、積立方式の資産運用が軌道に乗ったことでした。積立方式ですので、決まった日に口座から決められた投資が行われます。口座に残ったお金は自由に使えるので、厳格な管理は必要ありませんでした。

40代後半からFIREまで

40代も半ば以降になると、資産形成もできてきたので、FIREや定年退職も見えてきました。

そこで将来のシュミレーションのために、再び「見える化」の必要性を感じたのでした。クラウドベースのアプリが発達し、今も使っているMoneyFoward Meはほぼ全ての金融機関に対応し、現金を除くと記帳作業が必要ないことも要因の一つです。

「見える化」の結果で何をチェックしているかというと、ほとんどの場合、「総資産額」だけです。何らかの経済事象が発生したときにまず、自分の資産全体に与えるインパクトを確認する。想定の範囲内ならそれで追及は終わり。範囲外であれば、各口座、各金融商品を確認し原因をチェックし、必要なら対処するということになります。

この年齢になれば、支出の傾向はわかっていますので、買い物の明細をいちいちチェックして節約したり、みたいなことはやりません。

また、チェックする口座ですが、投資口座、年金口座など将来必要となる資産が含まれているものに限定しています。

私は日常の買い物等は妻に任せているので、毎月決まった金額を妻に渡します。この金額は妻がどう使おうと、MoneyFoward上は全て使ったこととして記入します。何にいくら使ったかは無意味な詳細だと考えました。同様にして交通系ICカードなども明細を取得しません。クレジットカード口座からチャージされた金額は全て使ったものとして処理します。

まとめ

以上、資産の「見える化」についてそのメリット、コツ、経験談を書かせていただきました。「見える化」というとやたら面倒そうに聞こえますが、そうではなく各世代に最適なやり方、使い方があることが伝われば嬉しいです。

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