久々に秀逸なマンガを読みました。
清野とおる氏の「東京都北区赤羽」です。
昨年、山田孝之主演でドラマ化されたのでご存知の方も多いかもしれません。
私はこの連休中から読み始め、清野とおる作品はほぼ全部読み切ってしまいました。次々に際限なく本を買えてしまうKindleって恐ろしい(笑)。
彼の作品の中でも清野とおる氏をメジャーマンガ家たらしめた「東京都北区赤羽」は続編の「ウヒョッ!東京都北区赤羽」とともに最高に面白いです。
このマンガは赤羽に移り住んだマンガ家が出会った奇想天外な人々、珍奇な出来事を綴る実話で構成されていますが、このマンガ家の街とのかかわり方は、私のようなストリートスナッパー&街歩き愛好家のお手本と言えます。
どこがお手本か、という点を3つメモしてみます。
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① 同じ場所を何度も何度も何度も徘徊できること
各章の始まりはたいてい、主人公が赤羽駅やアーケードを歩いていて何かを見つけるところからです。まるで縄張りをパトロールするワンちゃんのようです。
同じ場所を飽きもせず何度も何度も歩き回ることができるというのはストリートスナッパーに重要な性質の一つだと思います。たいていの人は、繁華街、アミューズメント施設など「非日常性」を演出する場所にワクワクしますが、私たちは「日常的」な最寄り駅とか、家への帰り道でも十分ワクワクできるのです。このマンガ家にも同じニオイを感じます。
このブログに掲載している写真もよく見ると日時を変えて同じ場所を撮っていることがあります。仕方ないのです。自分的には同じ場所でも面白いと感じているからシャッターを押すわけなので。同じ場所に飽きないというのはストリートスナッパーの性なのかもしれません。
うちの奥さんはごくフツーの人なのでなぜ、同じ場所で同じような写真を喜々として撮っているのかちっともわからん、と言います(笑)。でもそれがフツーなんです。
② 街の小さな非日常性がとても気になる
マンガ家は赤羽の小さな変化にひたすら突っ込んでいきます。駅前に現れた女性ホームレス、居酒屋前の不思議な石、スナックビルのお地蔵さま...
さっきは同じ場所...と書きましたが実はありふれた駅前でも毎日毎日、小さな変化があり、それに気づくことで、同じ場所が決して同じ場所ではなくなるのです。
③ 興味を持ったお店、人に積極的にアタック!
このマンガ家がすごいな、と思ったのは面白いと思ったホームレス、何でも屋 、変な居酒屋の主人etc…に話しかけ友達になってしまい、さらに面白い話を引き出すのです。
もちろん、職業上のネタを引き出すためというのもあるんでしょうけど、この積極性は真似てみたいものです。写真も相手と話しながら撮れば別のテイストの仕上がるになるのではないかと思います。
この3点からこのマンガはストリートスナッパーのバイブルたりうるなぁーと思いました。最近、写欲が衰えてきた、街撮りに飽きてきた、という人はぜひ読んでみてください。街歩きにときめいていた気持ちが蘇ってきます。
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私も以前一冊だけ買いました。川口に住んでいるので赤羽はよく飲みに行くのですが、街の濃さは赤羽ならではという部分があります。ほんと、オカシイ人がいっぱいで飽きない。愛すべき街です。引っ越しも真面目に考えてました。
常連同士の繋がりによる地域の情報網は最強ですから、私も飲み歩きながら、なるべく人に話し掛けるようにはしています。
なにが面白いって、やっぱドキュメンタリーとしての面白さがあると面白います。
おー、リアルにそうなんですか。
これは偵察のためにますます行きたくなりました♪