私はアラフィフなので定年退職という言葉に敏感です。
定年退職に関する本は最近ブームなのか数多く出ていて、見つけるといつも手にとってしまいます。
数多い定年本の中でもこの本はとても面白かった。この人はマイクロソフト社日本法人の元社長でエリート大金持ちなのですが、語り口が庶民的で親しみがあるんですよ。
「英語はしゃべれるけど、ビジネス英語だけ。いまだに雑談できません」とか「自分より優れた人の話は聞きにいかない。ショックを受けてやる気を失うから」とか。すごく普通っぽい。
今回はこの本を読みながら「そうだよね!」と膝をうった6つのトピックを書きます。
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10代がマジでやばい!ゆとり最強説
これこれこれ。まさにそうだよなーと思いました。
優秀なゆとり世代に仕事を奪われるぞ!という主旨の章のタイトルなんですが、自分もまさにそう思っています。
世間は「ゆとり世代」をバカにするTwitterや書籍、雑誌ばかり。褒めた文章を初めて見ました。
子供がまさにゆとり世代で、心配した奥さんが「円周率を3で教える(結局デマだった」、「47都道府県の県庁所在地を覚えさせない」とよく憤慨していたが、心配するに及ばないと思っていました。
数学の基礎は抽象化・記号化であって円周率の意味をきちんと理解することが重要で、それが3であろうとrだろうとなんでもかまわないと思っていましたし、県庁所在地なんて旅行とかすれば自然と覚えるもんです。
その時に必要のないものを修行のように覚えさせるのは無駄であり、今後の社会に貢献していくのは難しいという判断からゆとり教育が生まれたはずですが、旧守派のまきかえしで消滅してしまいました。
でも、スポーツで過去に類をみない実績を残しているのはみな「ゆとり世代」じゃん!
スポーツ分野だけでなく、教育の成果が反映されるのに時間がかかる研究やビジネスの分野でゆとり世代が台頭してくるのは間違いないと思っています。
プライドを捨てて、ダウングレードせよ!
いつまでも今の地位や仕事にしがみついていないで、もっと他に目を向けろという話で、造り酒屋、地方の老舗、旅館みたいなところにも十分商機が眠っているという話。
海外へ教えてに行くのではなく、一労働者としていく
青春を「Japan as No.1」時代で過ごしたアラフィフにとってはどうしても海外、特にアジアを一段下に見る癖がついているんですよね。
でも、もう違うと思います。
政府が「働き方改革」でやっきになっているのは国内の労働者が減るからという理由だけではないと思いますよ。
日本人は「働きアリ」なんて言われていましたが、本当は労働生産性が海外と比べて非常に低い(OECD加盟国中連続最下位記録を更新中)のが明確になってきたことだと思っています。
自分が仕事をしている感覚では韓国、台湾はずっと先を行き、ビルマとかフィリピンと同じレベルでしかないと思っています。
他国の、特にホワイトカラーと比べると日本のホワイトカラーはとにかく決定が遅い。
韓国のサムスンなら30分で決められるだろうな、という議題をある大手企業でひと月もつきあってウンザリした経験があります。
単なる「キメ」の問題にあまりにも時間がかかりすぎるのが生産性の低い証拠だと思っています。
会社を辞めないなら一つの趣味に全精力を
すでに多くの分野に先達がいて追い越すのが難しいから、「テーマをずらせばライバルがいなくなる」というアドバイスは目からウロコでした。
日本百名山を登った人はたくさんいるが、百名山の近くまでは行くけど登らない人のほうがインパクトがあるという話は思わずニヤリ。
自分でも工夫してニッチな道を探せばうまく行きそうな気がしました。
Youtubeやブログで儲けるという発想は捨てよ
これも読みながらそうそうそう、と思ったアドバイスです。このブログもアフィリエイトしていますが、全然儲かりません(笑)。
きちんとしたメディア戦略とクリエイティブな才能がないと成功は難しいと思うな。
コメ、酒、文房具で個人輸出にチャレンジ
これもそうだよなー、と思いました。コメ、酒に関しては書いている人はたくさんいますが、文房具の優秀性を説いている有名人は初めてです。
日本が他国に大幅にリードしているのは半導体でも自動車でもなく文房具だと思うんですよ。たぶん20年くらい進んでいると思うな。それにこれは一回使えばよさを伝えるのに十分なインパクトだからもっと海外で売れてもいいと思っています。
まだ定年は先ですけど、少しずつ準備をしていこうと思いました。
One thought on “書評・成毛眞「定年まで待つな!」を読んで気づいた6つの視点”