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久しぶりの書き込みです。

しばらく間が空いたのは、暑くて死にそうなのもありますが、先月仕事でラスベガス滞在中にショッキングな出来事があったからです。

それは、米国でのコンファレンス会場で滞在に必要なモノすべて(パスポート、財布、金、クレジットカード、スーツケースのカギ、社員証その他モロモロ)をカバンごと盗まれてしまうという大事件です。

滞在予定は一週間でその翌週には帰国して絶対やらねばならない仕事があり、焦りまくりました。滞在中の仕事はほぼキャンセルし、帰国するための手続きに専念、無事帰国することができました。

とんだドタバタのアメリカ出張なんですが、しばらくたって冷静に考えると、これは人からみると結構役に立ってしかも面白い体験だったんじゃないかと思い始め、ブログにメモることにしました。

正直、成田に到着するまではリアルなロールプレイングゲームの主人公をやっている気分でした(笑)。

今回は事件発生から帰国までの4日間を記事にしてお送りします。

その前に、盗まれたアイテム一覧は

  • カバン(Baggy Portのお気に入りでした)
  • 財布
  • お金
  • クレジットカード全部
  • スマホ(社給および個人の二台)
  • パスポート
  • 社員証
  • スーツケースのカギ(スペア含む2本)
  • 買ったばかりのトラベラーズノート(悔しい)

そして私の手元に残ったものは...

  • パソコン(カバンから取り出してテーブルにおいておいたので助かりました)
  • ホテルにおいた着るもの
  • 開けることのできないスーツケース(カギを盗まれたので)
  • ズボンのポケットに入っていた22セント

これでどうやって帰国するんじゃー!と叫びたくなりましたが、その時の私にはかけがえのない最強アイテムがありました。

  • 一緒に渡米していた上司と同僚
  • その人たちのお布施(もちろん帰国後返しました)と知恵

なんと同僚の中に二人も海外でパスポートを失くした経験のある人がいて初めての経験の私に知恵を授けてくれました。

ロールプレイングゲーム的に言えば、全てを失った勇者は仲間から愛と勇気をもらって帰国することができたと言えましょうか(笑)。

第一日目:盗まれた日

ほぼ全財産の入ったショルダーバックを盗まれたのは、ラスベガスの有名ホテルのボールルームで、カバンをイスの背もたれにかけておいたら、盗まれてしまいました。

それも私が座っている最中に(汗)

丸テーブルの同僚との会話に夢中になってしまい、浅く座っていたのがまずかったのでした。
盗まれた状況はそれだけで本が一冊書けそうなんで、やめておきますが、同じ状況で再び自分が盗難を防げるか自信がありません。

プロの手口でした...

盗難に気をつけるのはもちろんですが、完全に防ぐことは難しいので、むしろ起こってしまった後に迅速に帰国できるよう準備しておくことが重要だと感じました。

話をもとに戻します。

盗難に気づいたとき、茫然自失...

まず、同僚に相談し、ありったけの現金を借りまくりました。それとどうしたらいいのか全然わからなかったので、盗難された経験のある同僚に聞きつつ、パソコンで検索しまくりました。

するといるのですねぇ〰。

まさに私と同じようにラスベガスのカンファレンスに来てパスポートを盗難された人がブログを書いていて、とても参考になりました。

しかし、同時にネット情報のほとんどは「パスポート」を失くした人たちで私のように「パスポートを含むほぼ全財産」を盗難された人の情報なく、ヤバさをヒシヒシと感じました。

帰国のためのマスト・アイテムは次の二つです。

  • 現地警察発行の「ポリスレポート」
  • 領事館発行の「帰国のための渡航書」

まず最初に手続しないといけないのがポリスレポートでこれが航空券発行、渡航書発行、帰国後の保険請求に必要となります。
ポリスレポートには盗難時の状況と盗難されたモノを記載します。
後で気づいたのですが、警察はハナから捜査するつもりはないので(毎週100件くらい発生するらしい)、状況については筋道があっていればOK。
それよりも盗難品を詳細(色、サイズ、型番etc…)に書いてもらった方がいいです。
ちゃんと書いてもらった方が、帰国後の保険請求が楽です。

この日は、同僚からのお布施集め、情報集め、日本にいる妻への連絡とラスベガス警察へのオンラインでのレポート提出、会社のセキュリティ部門への連絡で終わりました。

ポリスレポートを得るためには警察署に出向くのが普通ですが、ホテルのコンシェルジュのアドバイスで、まずはオンラインで出してみたらどうかと言われやってみたのです。

ところが、提出した後、「5日以内に処理完了予定」とメールがあり、ぶったまげてしまいました。

週末までに帰れないじゃん...

そして、飛行機に乗るためにはパスポートが必要です。

パスポートは各国の領事館で発行が可能なのですが、発行までに数日間かかってしまいます。

私の場合、パスポート発行を待っていたら、ジ・エンドなので、そういう人のために帰国するためだけに一度だけ使える「帰国のための渡航書」を発行してもらえます。これは英語で「Temporary Passport」と呼ばれます。一日で発行してもらえるため、私の選択肢は後者しかありませんでした。

ところが、

肝心の領事館がラスベガスにはありません。

国内線に乗ってラスベガスを管轄するサンフランシスコ総領事館もしくはロサンゼルス総領事館に行く必要があることがわかりました。

第二日目:警察署と航空券・ホテル手配

この日の最優先事項はポリスレポートをなんとしてでも入手することで、それなしでは航空券も、渡航書も入手できません。

ラスベガス警察に行くにあたり強力な助っ人が現れました。
アメリカ人の同僚でラスベガスに在住経験あり、しかも前職でリスク管理をしていたというJさんです。

このJさん、やることが違う。通常、盗難にあうと警察に直行するのですが、インターネットをみるとそこでポリスレポートを書いてもらうのが一苦労という経験をよく見ます。

ところが彼は警察署に行く前に盗難のあったホテルに行き、そこの警備責任者と会い、昨日盗難事件があった旨のレポートにサインしてもらったのです。

このレポートを持参し、警察暑にいったら手続きはとってもスムース。

前日にインターネット経由で投稿したレポートに、詳細情報を加えたポリスレポートをつくってもらい所要時間は20分もかかりませんでした。

Jさんがいなかったら大変なことになっていたかもしれません。

拙い英語を話す身元不明(身分証明書的なものはすべて盗まれたので)なアジア人が一人で窓口にくるよりは、社員証を持参した英語の堪能なアメリカ人が、ホテル署名のレポートを携えて本人とともに現れた方がずっと信頼度は高いでしょう。

Jさんとはお昼前に分かれ、私はホテルの部屋にもどり、電話をかけまくりました。この時に連絡につかったのはパソコンのSkypeです。

これがあったことでどれだけ助かったことか。

インターネットがあれば世界中どこでもほぼ無料で安定して連絡できる。ホテルの固定電話でかけていたら通話料金が気になって落ち着いて話せなかったかもしれません。

まずSkypeで電話連絡したのロスアンゼルス総領事館とサンフランシスコ総領事館でした。必要書類を確認し、どちらの領事館に行くのは決めるためです。

このあたり、なぜそうなのかわからないのですが、電話で確認するとロスアンゼルスとサンフランシスコで必要書類が違いました。

ロスアンゼルスは戸籍謄本が必要で、サンフランシスコは戸籍謄本もしくは本籍がわかる住民票(ただしその場合、要・帰国後戸籍謄本の郵送)が必要とのことでした。

私の場合、本籍地が遠隔かつそこにいる親類縁者もほぼ亡くなってしまっているので、戸籍謄本が必要となると翌週までに日本に帰ることはできなくなってしまいます。
一方、住民票は昨日、妻に連絡し取得してもらいスキャンしメールで送ってもらっていました。

なので、ロスでなくサンフランシスコに飛ぶことにしました。

ここまでで、マスト・アイテムのひとつであるポリスレポートをゲットし、ふたつめの渡航書得る場所を確定できました。

ちょっとホッとして遅い昼食を摂りに行きました。

お昼過ぎになると日本の朝になるので、今度はサンフランシスコへの航空機およびホテル手配のために旅行社に連絡しまくりました。

この旅行社、正直なところあんまりいい感情をもっていなかったのですが、この時の迅速かつ適切な対応はまさに神対応で今では感謝しまくってます。

旅行社のYさんに帰国便を最も早いラスベガス発サンフランシスコ行きに振り替えてもらい、次にサンフランシスコでのホテル予約。翌日の成田便手配などをわずか半日足らずでやっていただきました。

ホテルなのですが、サンフランシスコ総領事館近くの有名ホテル。繁忙期なのでめちゃ高いうえに私はクレジットカードをもっていないために予約できない状況でしたが、Yさんが交渉の末、私の上司のクレジットカードで保証。現地で私が現金払いという手はずを整えてくれました。

サンフランシスコへの国内便、ホテル、成田便と必要な予約を取った後、次は必要な書類を準備しました。
といっても、写真以外(ホテル横のスーパーで撮ってくれました)は印刷するだけだったので、ホテルのビジネスセンターでプリントアウト。

そうこうしているうちに、Yさんから連絡があり、航空会社は航空券とポリスレポートがあれば飛行機に乗せられるが、航空保安局(荷物のX線検査したりしている人たち)はIDを要求するはずだから、その準備が必要との情報でした。

そんなこと今になって言われても、そもそもID(渡航書)を得るためにサンフランシスコに行くのに、その飛行機に乗るのにIDが必要って言われてもなー。

上司と相談し、おそらく保安局としては書類と本人を一致させるための顔写真および英文・氏名つきの情報が必要なんだろうということになり、会社の自分の人事情報をPDF保存しPCにいれておくことにしました。
もうホテルのビジネスセンターは閉まっていて印刷することはできませんでした。

これが原因で航空保安局から取り調べを受ける羽目になるとは思いませんでした(涙)。

第三日目:サンフランシスコへ!

三日目のラスベガス発サンフランシスコ便はなんと朝5時出発。

Yさんからは通常2時間前に空港に到着するのが望ましいが、IDの問題とかいろいろありそうなので3時間前、つまり2時に到着するようにホテルを出ました。

この一便を逃したらもう今週中に帰国できないので一睡もしませんでした。

空港では自動チェックイン。
パスポートはないので印刷しておいたEチケットで。
ここで焦ったことがあります。
手荷物なのですが、機内持ち込みなら追加料金なしですが、預けると35ドル余計にかかります。
国際線は運賃に含まれているので普段はあまり意識しませんが、国内線は別料金なんですね。

幸い自分の手荷物は機内持ち込みサイズだったのでOKだったのですが、もし必要だとなると料金支払いはクレジットカードのみ。現金しかない私の場合ひと悶着あっただろうな、と思い冷や汗でした。

ところがその後、マジに冷や汗をかく事態に陥りました。

荷物、持ち物検査の後、IDを出せと言われ、「ないけどポリスレポートならある」と答えると奥に連れていかれてしまいました。

懸命に

「すべてを盗まれてしまい、帰国するためにこの便に乗る必要があーる!」

と必死に訴えかけていると、何もないと言っても本当に何かない?と言われPCにデータとしていろいろあると言いましたが、データじゃダメで紙でないと言われてしまいました。

彼らの役目は麻薬組織はテロリストを捕まえることで、その可能性がないと分かった途端、なんとか釈放理由を探しているようでした。

結局身分を証明するものが何もないので、詳細なチェックをするというので、切羽詰まった私は「どーぞ、どーぞ」という感じでした。当然何を調べられても何もでないことは明らかなので。

ボディチェックした後、荷物にテープみたいなのを貼って剥がして乗せると何かチェックする装置があり、それで何度もチェックされました。
きっと麻薬があると機械が鳴るんだろうーな

次に例の開かないスーツケースに目をつけられ、「開けますよ」と言われました。
もちろん「どーぞ、どーぞ」です。
TSAなんで、どこからか合いかぎの束をもってきてそれで開けてくれました。
これがとてもラッキーでした。

そもそもこのスーツケース、帰国した後、壊して中身を確認後捨てるしかないと思っていたのですが、無傷であけてくれて、なおかつスーツケースから非常用の現金を発見しました。
この現金がのちに私を救うことなったのです!(笑)。

再び閉めようとするので、
「ノー、ノー、そのまんまでいいよ!」
と言って開けたままにしてもらいました。

サンフランシスコには朝の7時頃に到着。8時頃にはダウンタウンに到着し、9時半に開く総領事館の場所を確認後、開くまで初めてのサンフランシスコを散歩しました。

ラスベガスと違って涼しくて長袖で寒いくらいでした。

一番乗りで総領事館に入り、窓口で状況を話すと、昨日で電話で丁寧な対応していただいたPさんでした。

ロールプレイングゲーム的に言うとやっとのことで勇者がお姫様に会えた気分でした(笑)。

その後は書類提出、不足書類はメール送信し待つだけでした。

2時頃にうかがうと夢にまで見た渡航書をゲットすることができました。

総領事館の方々に涙ながら(ココはウソ)の感謝をしつつ再びサンフランシスコの街に出ていきました。

次にホテルにチェックインなのですが、ここでアレレな事件。

チェックインカンターでは追加でデポジットとして現金250ドル必要と言われました。

聞いてねーよ(怒)。

焦りまくりましたが、今朝、航空保安局によって開けられたスーツケースで発見した現金を思い出し、事なきを得ました。

ことホテルとか、航空会社にとって「現金」って信用ないのだと身に沁みました。

この日は一人で中華街に行き、ビールで乾杯しました。

第四日目:帰国と盗難対策

翌日は朝8時サンフランシスコ発便に搭乗。シアトル経由で日本時間の翌日夕方に帰国できました。事件発生からほとんど寝ていないので寝まくりでした。

こーして勇者の冒険は無事終わったのでした(笑)。

それでなんですが、前述したようにこうした事件から完全に無縁になるのは難しい。なので起こってしまった場合になるだけ早く日本に帰れるようにする準備をしておいた方がいいと思います。

私が特に苦労したのは次の2点でした。

ひとつは言わずと知れたID(身分証明書)です。

最強のIDはパスポートです。
盗まれないようにするだけでなく、コピーをホテルの金庫とか、スーツケースの隠しポケットなどに入れておくことをオススメします。

IDを出せと言われた場合、パスポートやその複製があれば最強ですが、ない場合は今回の経験から次の3つの条件を満たした書類があるといいかもしれません。

  • 明瞭な顔写真がのっている
  • 英語で名前がのっている(つまり日本の運転免許証などではダメ)
  • 紙である(PC, スマホで見れるのではダメ)

ふたつめはクレジットカードです。ここで言いたいのは現金でなくクレジットカードです。ファーストフード店などの少額決済には現金ですが、ホテル代、航空会社ではクレジットカードでないと全く融通が利きません。

なので、こちらもIDの複製同様、隠しポケットなどに入れておくことをオススメします。

あー、終わった。長い記事だった...

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4 thoughts on “ラスベガスでパスポートなどなど盗まれ、なんとか4日で帰国できたハナシ

    1. ほんと、死にそうでした~。
      もう二度とあの経験はしたくないなぁ

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