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品川のキヤノンギャラリーでやっている写真展に行ってきました。最初見たときは、淡いトーンの6x6カラー写真が淡々と並んでいるだけので、なんだこりゃ?と思いました。特にすごいものが写っているわけでもなし。

うーん、何がいいたいのだろう....

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入口のスクリプトを丁寧に読んでみて、ああーっと少しだけわかったような気がしました。彼女は写真に感動や、スクープや美を求めているのではなく、世界そのものを写真に写し取ろうと試みているのだと思いました。

違うかもしれませんが(笑)。

抑揚のない日常の欠片、その断片を暴力的にかき集めていく。しかし、集めた断片から新しい物語が生まれる訳ではなく、それらは集積された断片の山でしかない。けれども、改めて注視してみれば、そのひとつひとつにわたしが知ることのなかった物語がぎっしりと詰まっていた。すでに存在していた、誰も気に留めていなかった小さな物語たち。

つまり彼女は世界の断片をレンズで切り取りかき集めることに専念しているのであり、その断片は等しく断片で特に意味があるものではないといっています。彼女は世界の中で突出した出来事を撮るのでなく、淡々と流れる日常世界を写真展で再現したいのだと思いました。

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わたしはピンで蝶を留めるように注意深く見直していく。鱗片の模様は解釈ではなく、横たわる事実だ。

彼女の写真は2,3枚が組になって展示されていて、その組はなんとなくトーンが似ています。彼女が蝶を標本箱に並べた結果がこの展示だと思いました。

写真を撮っているとき、スクープが撮れるのは撮影時間の0.01パーセントくらいだと思います。残りの時間は作品にもならない淡々とした日常を画像素子に写しこんでいるだけです。でも、私たちの人生のほとんどは平坦で淡々とした99.99パーセントの時間です。彼女はそちらを撮ることで世界を写真に写しこもうとしたのかもしれません。

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