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今回は生命保険料のリストラについてです。
生命保険料は人生の中で住宅購入についで支払額が大きいと言われながら、多くの人がさほど意識せずに支払い続けている支出のひとつです。

まさに私がその一人で自分の生命保険で何が保証されるのか全く分っていないという状態でした。
それも社会人になってから25年近くもです!

この記事は今までさほど意識せずに保険料を払っていて、何かのきっかけで疑問を抱いた人のためのものです。

上手く利用すれば保険料をより有利な金融商品に振り替え、金満おやぢに近づくことができるかもしれません。

ありがちだと思いますが、新卒で会社に入った後、いわゆる「保険のおばちゃん」の勧められるままに加入し、毎月18,000円くらいを支払ってきました。

ところが、50歳近くになり更新が必要ということで見積もりをいただいたところ、ぶったまげました。
月額支払いが今までの約3倍になっていたのです。

とてもそんな余裕はありませんから、遅ればせながらちゃんと保険を勉強し直し、自分に必要な保険のみ選択することにしました。
結果的に今までの保険を解約し、ネット生命保険に乗り換えることになりました。

■ 保険再検討のステップ

保険を再検討する際、次の3つのステップですすめるといいと思います。
まずStep 1.として保険ってどういうもの?という理解です。
ここは結構重要なので理解しておいたほうがいいです。
難しそうですが、やさしく解説しますから心配要りません。

Step 2.は自分の加入している保険の検討です。
どんな保険に入っているのかは自力で勉強するよりは保険会社の人に聞いたほうがいいでしょう。
保険の仕組みは複雑で自分で調べるよりわかっている人に聞いたほうが楽です。

Step 3. は次にどうするか?
何をやめて何をあたらしくするのかを決めていきます。

■ Step 1. 保険のコンセプト

ここに関しては次の3つをしっかり認識しておくとよいと思います。

① 保険がもっとも威力を発揮するのは発生確率が非常に低く、万が一発生した場合、人生計画が破綻するような巨額な費用が発生する事象

もっとも分りやすいのは自動車事故です。
相手を死傷させてしまった場合、数億の賠償が必要になることは珍しくありません。
死傷をともなう自動車事故が発生する確率は非常に低いのですが、それがもとで被害者と加害者の以後の人生が破綻するのは防がなければなりません。保険はこういったケースに最も向いているのです。

② 支払いが必要なリスクに対して、保険を適用すべきなのか、貯蓄から切り崩したほうがよいのかを考えること。リスクへの対応が可能なのが保険だけであるという錯覚は取り払うこと

私の40代後半の同僚に前立腺ガンが見つかり加入していたガン保険から保険金がおりました。
一回手術すれば済む生命に別状のないガンだったのが幸運でした。
彼は

「月々の支払額の200か月分がもらえたよ。この保険はお勧め!」

と言っていました。

この話はおかしいと思いませんか?
この人が私と同じ社会人になったタイミングで加入したのであればゆうに200ヶ月以上の保険料を支払ったはずです。
まったく得ではありません。
むしろその分を貯蓄か投資しておいてもよかったはずです。

今や日本人の1/3はガンで命を落とす時代です。ガンに罹ることは珍しいことではありません。ということは①で記載したよい保険の条件「発生確率が非常に低い...」にもあたりません。

③ 日本の健康保険は世界で最も優れた医療保険のひとつであることを理解しておくこと。

これは私も最近まで知らなかったことです。
まず、日本の保険制度では病気になっても治療費の負担は3割ですみます。
さらに「高額療養費制度」というものがあり、どんなに治療費がかかっても月に支払わなければならない金額には上限があります(除く差額ベット、先進医療)。
この金額は現在87,430円となっています。
万が一の場合に、この金額を支払うために月払いの医療保険に入っておくか、その分をあらかじめ貯蓄しておくか検討する価値は十分にあります。

話はズレますが、米国でオバマケアと呼ばれる保険制度改革がおこなわれようとしています。
米国は日本と異なり国が提供する保険制度がありません。民間の保険会社がそれを担っていますが、なんと国民の1/4が無保険です。
なのでオバマ大統領はなんとかしようとしているのです。
米国のような国では国民は自分で民間保険に入っておく必要があります。
しかし、国民皆保険の日本は世界と比べて十分に恵まれています。
メリットをちゃんと享受したほうがよくありませんか?

話を元にもどし、結論を言えば、現在保険会社が販売している「医療保険」はほとんど国民健康保険でカバーされており、必要がないのです。

■ Step 2. 加入済み保険の検討(私の例)

保険会社の人からいいろ聞くと私の保険は3つの柱で構成されていることがわかりました。
こんなにいろいろ払っていたのかと、正直驚きました。

A.  死亡保険(私が死んだとき、家族がもらえる一時金)
これは2つのいわばミニ保険で構成されていました。

  • A-1: 70歳までの終身保険部分
  • A-2: 期間限定の掛け捨て保険部分

B. 特約(特定条件時に一時金が支払われる)
これは3つのミニ保険で構成されていました。

  • B-1: 三大疾病(ガン、心筋梗塞、脳卒中)
  • B-2: 身体障がい
  • B-3: 要介護

C.  医療保険(入院日数に応じて支払われる)

■ Step 3. 保険をリストラする

まず、Aについてですが、家族にとってのもっとも大きなリスクは家計の担い手である私が突然死亡することです。
貯金はいくらかありますので、死亡後、生活が落ち着くまでの生活費と子供が大学を卒業するまでの学費が必要となります。
子供は高校生ですので保険が必要なのはあと5,6年です。
なので、A-2 の掛け捨て部分のみ残し、A-1 終身保険分は解約することにしました。
子供が巣立った後に大金は必要ないし、期間が長いのでトータル支払額が膨大なためです。

次にBなのですが、三大疾病は日本人の多くが罹り、それによって多くの人が命を落とす、誰にでも普通に起こりえる一般的な病気です。
こういう事象に対してStep .1の①に書いたように保険は顧客にとって有利ではないのです。
具体的には保険料がバカ高いか、保険金が安いかのどちらかです。
私はこうなった場合、生命保険ではなく国民健康保険と貯金でカバーすることにしました。

それにしても20代、30代、40代で要介護保険なんて必要だったんでしょうか?
当時自己責任で契約したとはいえ、保険屋さんには、「これは若いうちには必要ない」と言って欲しかったと思っています。

最後のCなのですが、保険のセールスの人でさえ、必要ないと言い切っている保険です。
必要ありません。

■ 最後に

結局のところ残ったのは期間限定の掛け捨て生命保険のみになりました。
これだけだと今まで契約していた保険会社は商品を提供できないということでしたので、解約してネット生保にしました。
月々の支払いは1万円未満になりました。

今回の記事は私の場合を例としてあげました。
最適な解は個人個人のライフプランによって大きくかわってきます。
最適解を得るための参考にしていただければ幸いです。

また、保険の仕組みについていい本がありましたので、ご紹介します。著者は保険のセールスに携わっている方で保険の裏も表もご存知です。
一読されるとよろしいかと思います。

生命保険のウラ側(朝日新書)
後藤 亨

また、↓のホームページも面白いです。ぜひご参照ください。

生命保険業界が表に出さない“数字”とは?
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One thought on “金満おやぢ・月額6万円の生命保険料を月額1万円にリストラした理由

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