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10月4日のペンス副大統領演説が過小評価されているように感じます。
あれだけの長い演説をすらすらと自分の言葉で理路整然と語る表情や話し方からして、ブラフではないと思いました。

まだ、見ていない人はYoutubeなどで、ぜひとも見てほしいのですが、この演説は実質的な中国への宣戦布告です。
かつて米国が、日本や旧ソ連におこなったことをまさに中国に対して行おうとしていると実感しました。

今回の記事は今後、米中間で何が起こるか、そして投資家がどういう影響をうけるかを予想していきたいと思います。

ペンス副大統領の演説を見たときに、連想したのは過去の敵対国に対する対応です。
具体的には1941年の実質的な対日宣戦布告であるハル・ノート、1983年のレーガン大統領の旧ソ連に対する「悪の帝国」演説です。

かつて米国は実質的な宣戦布告を行い、相手国に対する徹底的な締め付けを行い、日本帝国の暴発と屈服、ソ連共産党崩壊を誘引しました。
米中両軍が激突する可能性はほとんどないでしょうが、血の流れない新しいタイプの戦争が進行中と考えていいと思います。

新聞を読むと「米中”貿易”戦争」という言い方をすることが多いですが、副大統領演説を見ると米国が実質的な”戦争”する決意を表明しており、そのゴールは中国共産党崩壊にあることがよくわかります。
貿易で競争し金銭上の利益を追求するのが米国の目的ではありません。
90日間の関税猶予に対して中国が米国を満足させれば貿易戦争は緩和される可能性があるとの意見をマスコミで見ることがありますが、おそらくそれはないでしょう。

なぜなら、

”安全保障は通商に優先する”

からです。

米国のゴールが共産党崩壊にある以上、中国がどんな対応をしても、永遠に合格することのない追試みたいなものです。
何をどうしてもおそらく米国は満足せず、追加追加の要求をしてくるはずです。

ちょうど、70年前に米国が日本に対して原油、鉄鉱石の禁輸をおこない、そのあとに大陸からの撤兵という当時の日本には絶対飲むことのできない要求をしたように中国にも次々に無理ゲーをおしつけていくはずです。

ZTE, ファーウェイ排除はそうした無理ゲーの一環です。

 

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米国の中国への要求と施策

 

今後、米国が中国に対してどんな手を打っていくか、通商、軍事、人権、文化、切り札という5つの面で予想し整理してみます。

 

通商

 

  • 来年3/1まで延期された2000億ドルの関税切り上げについては実施される
  • 中国進出企業の技術強制移転、知的財産窃盗の停止
  • 中国政府が企業に外国でのスパイ活動を命ずることのできる国家情報法の廃止

 

を実施、要求するはずです。

今のところ中国政府は技術の強制移転などは法改正で対応しようとしていますが、米国は満足しないはずです。
中国が法改正したとしても、米国はそれを米国側が検証可能な形で査察できるよう要求するでしょう。
これは中国の主権にかかわることであり、無理ゲーです。

さらにファーウェイ、ZTEに続き、美的集団の排除も考えられます。
美的集団は東芝のコンシューマー部門を買収したことで日本では有名ですが、それよりも一昨年、ドイツのロボット企業KUKAを買収したことが米国にとっては脅威だと考えられます。
KUKAは日本のファナック、安川電機、スイスのABBに並ぶ世界の4大ロボット企業の一角で、ロボット産業は自動車、建設など組み立て製造業になくてはならないパーツです。
中国製造業の締め付けをはかるため、美的集団へのなんらかの圧力を加える可能性が高いと考えられます。

 

軍事

 

  • 米国は年間80兆円におよぶ軍事予算を計上。これは中国の軍事費の4倍
  • ちなみに日本の軍事は4~5兆円にすぎない。トランプ大統領は日本に対してさらなる軍事費増強を要求してくる可能性が高い
  • 南シナ海の「航行の自由作戦」の定常化により中国海軍への圧迫

 

人権問題

 

  • 中国の「柔らかい腹」である新疆・ウイグル、チベット地区をかく乱するため、現地および亡命者と連携を図る可能性が高い。
  • 米国は中国のイスラム教徒と連携するため、イスラム各国との関係の見直しをはかるかもしれない
  • 中国国内のキリスト教徒への締め付け停止

 

文化

  • 大学内でのプロパガンダ機関と化している孔子学院の閉鎖
  • 中国人留学生の制限と追放
  • 2022年冬季オリンピック(北京)ボイコット。かつてアフガン侵攻、人権蹂躙を理由にモスクワオリンピックをボイコットしたような、共産党の顔に泥を塗ることを敢えてする可能性

 

切り札

 

米国はありとあらゆる手段で中国への締め付けをはかっていくはずです。
ただし、米国の最も強力な切り札は関税でも、強力な軍隊でもなく、共産党幹部の国外資産リストではないかと考えています。

過去、それを追求したジャーナリストの拉致、マスコミ操作、ツイートの削除をおこなっており、中国共産党にとって最もセンシティブな情報と考えられます。
共産党幹部が多額の蓄財を海外に隠し持っていたことが明らかになれば共産党は国民の支持を失ってしまい社会不安が広がるのは火を見るより明らかだからです。

 

冷戦5年で投資環境はどうなるか?

 

前例がどうなったかを調べるのが一番なので、過去、ソ連と冷静状態にあったときのダウ平均を調べてみました。
元情報はココ(三菱UFJモルガン・スタンレー証券)にあります。
ちょっと驚いたのですが、83年のレーガン大統領の演説から87年のブラックマンデーまで緩やかに上昇しているのです。

つまり、米国株式市場は米ソ冷戦の影響を受けなかったと言えます。
これはもともと米ソ間の交易が少なかったのかもしれませんし、民需にかわり軍需が景気を下支えしていたのかもしれません。

80年代と今とは経済の緊密度が比べようもないほど高まっていますので、米中冷戦は2か国だけにとどまらず世界的に悪影響を及ぼすでしょう。

もっとも割を食うのが言うまでもなく中国で、ファーウェイ排除の対抗策とししてGAFA排除を訴えたりしていますが、もともと米国系IT企業は中国で商売ができていなかったので、なんの影響もないでしょう。
中国はこうした効果が非対称な対抗策しか打てなくなり、徐々に停滞していくと考えられます。
長期的には14億人の中国経済は米中冷戦が続く限り、世界経済全体から切り離されていくと考えられます。

 

日本は今年の中国向け輸出が20兆円を超えており、それに関連する企業は大きな影響を受けると思います。
ただ、長期的に企業活動は中国から最近インフラの整備されてきた東南アジア、インドへシフトしていき、持ち直していくものと考えています。

現在、世界経済の「重心」は北京と上海の間にあるというレポートを読んだことがありますが、今後、「重心」は急速に中国から東南アジア、南東アジアに移っていくのは間違いないと考えられます。
皮肉なことに一帯一路は「中国」以外の地域で発展しそうです。

 

今後の投資をどうしていくか?

 

私の投資方針は20年変わらず「長期・積み立て・国際分散」です。
それを今後変えていく必要があるかどうかです。

前述したように中国を除く世界の景気は、今後数年は混乱でダウンが生じるものの、企業活動が中国から他地域へシフトされるに従い、徐々に上昇傾向になると予想しています。

だとすれば、今後の株価ダウンは絶好の仕入れ時かもしれません。
また、中国を除く「一帯一路」エリアの景気はより一層加速すると考えています。

私としては次の3本柱でこの数年の運用を進めていきたいと考えています。

 

  • グローバルファンド、インデックスファンドによる「長期・積み立て・国際分散」投資は継続
  • 下がりきったところでで、ドルコスト平均法メリットを最大化するため、もう一本インデックスファンドの長期・分散購入を行うかもしれない
  • アジア・オセアニア地域のETF,REITの純資産高に注目(今まで資産高が少なすぎて流動性が低く購入意欲がわかなかった)

 

ファーウェイ・ジャパンの広告

 

最後に、27日の朝日新聞朝刊に掲載されたファーウェイ・ジャパンの広告記事を見ての感想です。
この広告記事は、代表取締役社長名で投稿されており、

 

  • ファーウェイは世界の法規制・電気通信規格を遵守してきた
  • サイバーセキュリティ、プライバシー保護に全力で取り組んでおり、これら情報をいかなる政府・機関に渡したことはない
  • スパイチップに該当するものが見つかったことはないし、厳しい顧客導入試験に合格している
  • 経団連に加盟し、日本企業から年間6,700億円もの調達を行っており、日本にとけこみかつ貢献している

 

ことを訴えています。

通信機器のエリアはかつて富士通とか、日本電気とか沖電気とか旧電電ファミリーと呼ばれる企業が世界のトップランナーでした。
今は経営判断のミスや開発力の低下で脱落してしまいました。
ファーウェイは技術開発力、スピード感、莫大な資金、何をとっても現代のエクセレントカンパニーの一つだと思います。
そうでなければ競争の激しいエリアでナンバーワンにはなれません。

しかし、どんなに素晴らしい製品を開発できて、広告掲載の主張がすべて事実だとしても、中国共産党の命令(国家情報法)により、中国企業(特にIT関連)がスパイ機関になりうる、中国共産党が製造2025や周辺国への軍事的圧力を通して露骨な覇権主義を打ち出してきたことが問題なんです。

世界はもはや中国共産党を「21世紀のヒトラー」とみなしつつあります。

ファーウェイはその犠牲になった企業なのかもしれません。

 

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