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母親がガンの診断を受け入院しました。

といっても初めてのことではなく、数年前に検査で初めてガンが見つかり、その時には外科手術で患部を切除しました。術後は良好でそのあとは元気に働いていました。

今回は1cm程度の小さな腎細胞ガンが見つかりました。また、別の臓器に一か所転移していることもわかりました。すでに70歳を超えており代謝が遅いため進行が若い人ほど早くない、また腎細胞ガンというガン自体、進行が遅いことが不幸中の幸いです。
転移が見つかったことで完治が難しくガンの増殖を抑えつつ共存しながら「長生き」していくことに治療方針が変わりました。

母親はおそらく死ぬまでガンと暮らしていくことになるので、あらためて、ガンという病気がどんなものなのか学んでおくことにしました。

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本屋で谷川啓司著「がんを告知されたら読む本」を買いました。目からウロコということがたくさんあったので、重要と思われる4つの知識をQ&A形式に整理してみました。
この本は入門用としてとても分かりやすいので必要でしたらまず読むことをお勧めします。

がんを告知されたら読む本―専門医が、がん患者にこれだけは言っておきたい“がん”の話

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また、最近ガンに関する医療否定本が多く出回っていますが、最初からそういう似非科学本に触れるとずっと誤解を招いたまま自身や患者を不幸に陥れる可能性があります。
まずは治療実績のある標準治療を熟知したお医者さんの本に触れたほうがいいと思います。

Q1. ガンになると痛い?ガンが死をもたらすの?

A1. 答えはNo です
これは知らなかったのですが、ガン自体が痛みを発生させることはほとんどなく、抗がん剤などの”治療”が副作用により痛みを発生させます。
また、「ガン=死をもたらす病」という印象がありますが、ガンは自分の細胞が異常増殖したにすぎず、ガンそのものが死をもたらすわけではありません。
ガンにより次のような条件がそろったときに死をもたします

  • 発生もしくは転移した臓器が生命維持に不可欠な臓器である
  • その臓器の活動を阻害するほどガン細胞が増殖し、結果、臓器機能不全に陥る

ガンになると即”死”という印象がありますが、そうではなく、上の条件がそろって初めて死亡します。
なのでガンになったからと言って慌てふためいてはいけません。

Q2. 抗ガン剤はガンを治すことができるのか?

A2. NO.
どんな病気でもそうですが、病気を治すのは体内の免疫の力です。ガン細胞は健康な人でも発生しているのですが、免疫がガン化を防いでいるのです。ガンになる、ということは相対的に免疫の力がガン細胞より衰えている状態になっているということです。
抗ガン剤はガンをやっつけるのではなく、ガン細胞の増殖を抑えます。やっつけるのはあくまで免疫であり、抗ガン剤は免疫の応援団にすぎません。抗ガン剤はガン細胞だけでなく、健康な細胞の増殖も抑えます。これが副作用です。

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Q3. ガンはなぜ治りにくいのか?

A3. 免疫は体内の異物を識別し退治します。しかしガン細胞はもともと正常細胞なので免疫が異物として識別しづらいのです。そのうえガン細胞は免疫の目をくらます機構をもっていることがわかっています。

Q4. 抗ガン剤にはどれくらい期待すればよいのか?

A4. この本のP157によると非常に有効な抗ガン剤と言われるものでも奏効率は50%前後。通常の抗ガン剤は20-30%前後です。
そして重要なのは「奏効率」の意味です。50%というのは投与された人の50%が最低1か月の期間にガンが縮小したということです。なので、投与により完治したのではなく、あくまで縮小なのです。2か月後にガンがさらに大きくなったとしてもそれは考慮されません。
なので抗ガン剤はガンを治す「魔法の杖」なのでなく、ガンの進行を遅らせるためのものであると考えておいたほうが無難です。

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